今月のことのは「薫習(くんじゅう)」
- 茶の湯の郷 自由な茶人コミュニティ
- 2020年9月2日
- 読了時間: 3分
更新日:2021年6月28日
こんにちは。佐藤明日美です。
今年は、長梅雨から厳しい暑さが続き、あっという間に長月を迎えましたね。
今日の朝は風の中にほんのりと秋の気配が漂って来ましたが、
台風が湿った空気を連れてきていて、爽やかな秋まではもう少しといった感じでしょうか。
まだまだ気温も高く、今は湿度も高いですので、
どうか引き続き、ご自愛の上、お過ごしください。
今月ご紹介するのは、「薫習」という仏教の言葉です。
意味を調べてみますと、以下のようにあります。
物に香りが染みつくように、人々の精神・身体のすべての行為が人間の心の最深部に影響を与えること。 (※引用元:三省堂 大辞林 第三版)
師匠・宗秀との会話の最中で、「茶道というものが反復のお稽古を繰り返しているだけなのに、いつの間にか日常にも何かが滲み出てくるようになるのが不思議です」とお伝えしたことがありました。
自分自身としてのお点前自体は、お稽古を始めて4年目で、まだまだなのです。
師匠のご指導は、お茶のお点前に関すること。他に、仏道や茶道についての大切な教えの共有。お稽古の合間の楽しいお喋りの時間。
決して「ああしなさい、こうしなさい」「それは違うわよ」といったことはおっしゃらない師匠なので、自分のことを無理に変えていこうとしたことはありません。
とはいえ、お点前が少しずつ少しずつ深まっていくと同時に、自分の中に変化を感じるようになっていったのです。日常の生活の中のちょっとした所作や、ものごとの捉え方・感じ方に変化を感じることが増えてきました。以前は、よく物を壊したり、倒したり。ぶつかったり、忘れたり。誰かのことを批判的に観察してみたり、自分に起きた辛いことを長らく握りしめていたり、それを誰かのせいにしたり。そんな自分が、ものを壊す回数や倒す回数が減り、家族にも驚かれました。日常生活の過ごし方が、とても穏やかになりましたし、日常に起きることへの胆力がついていくようでした。
並行して、自分の人生、生き方について深く感じ、考えるようになっていました。
師匠は、そんな私の不思議がる気持ちを聞いてこうおっしゃいました。
「そういうことを「薫習」と言うのよ」
その時にふと思い出したことは、お稽古を始めるときには、毎回、「お稽古をお願いします」のご挨拶をするのですが、師匠はその際に「これまでの先人たち、全てのものへお願いしますという気持ちでね」とおっしゃっていたことです。
その時に、茶の湯のお稽古をするということは、そういった茶の湯がこれまで受け継がれてきた背景にある仏道や茶の湯の膨大なる教えを、自らの身体(しんたい)を持って感得させてもらうことなのかもしれないなと思いました。
お稽古の中に含まれているそれらの教えが、お香が沁みつくように、私の奥深くに沁みいっている。何とも形容しがたい歓びがありました。
こうやって、人は何かと響きあい、その響きを知った自分に出逢えるのかもしれません。
皆さんは、どんな響きに囲まれ、どんな響きのご自身に出逢っていますか?

知る人は、どなたの文章かが分かり、声や息づかいまで伝わってきますが、、、 記名や顔写真の添付があっても良いですね。 読んでいる人が、次第に友情や親近感を抱き、、、玄滴庵(の世界)に融合しやすくなるでしょう。 結果として、同志が増えて行くことに繋がると思います。
素敵なホームページが作られましたね❣️
踏み出してくださいね!
嬉しいことが増える喜び!
奥へ奥へと深く歩みたいものです。